| L字型のカウンターには10脚程度の椅子が並ぶ、比較的こじんまりした店内。短髪のいかにもお寿司屋さんといったご主人と、控えめに静かに微笑む奥様の二人でお店を切り盛りしている。 「ここのトロとスミイカは絶品だよ!」常連さんとみられるお客さんの声。 以前は大吟醸大坂屋長兵衛などのお酒を置いていたそうだが、今は新潟から直接取り寄せるという地酒が何種類か揃っている。そのうちの1本と握りの特上を注文してみる。まな板に上等なネタが乗ったにぎりだ。旨い!日本人に生まれてよかったと思える瞬間か。 「ご主人がお寿司屋さんになろうとしたきっかけは何?」「たまたまだね。東京へ出てきて、手伝わないかといわれてアルバイトしたのが、寿司屋だった」 「では、お店を持とうとかお寿司屋さんになろうとか初めからあったわけじゃないんですか?」「店なんて持てるなんてまったく思えなかった。これまで何店か移ったけど、一番長くいた沢元の本店のおやじさんのお陰でこうして店を持てて、沢元の名まで使わせてもらっているんですよ」なか |